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子どもの症状(鼻と耳・目・皮膚)|あかちゃんとこどものクリニック カメイドクロック

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子どもの症状(鼻と耳・目・皮膚)

Symptoms in Children

副鼻腔炎(蓄膿症)

概要

人の顔の中で、鼻の横・額・目頭の内側には、顔の骨に囲まれた副鼻腔という部屋があります。副鼻腔の粘膜に炎症があることを副鼻腔炎と言い、かぜの際にはよく見られますが、通常は自然に軽快します。副鼻腔で2次的に細菌による感染症が起きることがあり、これを急性細菌性副鼻腔炎と呼び、最も多い原因は上述のかぜやアレルギー性鼻炎です。かぜとの区別が重要ですが、10日以上改善傾向が見られない鼻汁や、3日以上続く39℃以上の高熱と膿性の鼻汁、一旦良くなった症状が再度増悪するなどがあるときは急性細菌性副鼻腔炎を疑います。3ヶ月以上症状が続く場合、慢性副鼻腔炎の診断となり、急性細菌性副鼻腔炎とは管理が異なります。

診断と治療

合併症のない急性細菌性副鼻腔炎に画像検査は必要ありません。多くは上記の症状の特徴から疑い、抗生剤による治療を開始します。症状が強くない場合、発症2週間程度までは抗生剤なしで観察をすることがあります。原因としてアレルギー性鼻炎がある場合は生理食塩水の点鼻や、抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドが効果がある可能性があります。合併症が疑われる場合は、高次医療機関での検査が必要です。慢性副鼻腔炎では生理食塩水の点鼻や、点鼻ステロイド、抗生剤、ロイコトリエン拮抗薬などを組み合わせて治療し、必要に応じて手術が必要になることもあります。

Symptoms in Children

中耳炎

概要

鼓膜の奥にある「中耳」というところに炎症が起きることを中耳炎と呼びます。特に生後6ヶ月〜24ヶ月で多く見られます。中耳炎の原因として最も多いものはかぜです。周囲の喫煙は中耳炎を発症する可能性を高めます。

診断と治療

鼓膜を観察することで診断します。2歳以上の片側のみの耳だれのない中耳炎で、全身状態が良く、強い痛みがなければ抗生剤を使用せず数日経過を見ることもあります。両側の中耳炎や、耳だれを伴う場合、2歳未満(特に生後6ヶ月未満)、2歳以上でも丸2日以上39℃以上の発熱や耳の痛みが続く場合、何らかの理由で経過観察ができない場合は抗生剤を使用します。抗生剤で改善しない場合は、耳鼻咽喉科での対応が必要になります。

Symptoms in Children

アレルギー性結膜炎

概要

アレルギー性結膜炎は全人口の少なくとも20%にあるとされており、発生率は増加傾向にあります。多くは花粉やハウスダストによるものであり、目の痒みや充血や、結膜の浮腫(むくみ)を認めます。多くの場合で、アレルギー性鼻炎を合併します。

診断と治療

問診と診察で診断が可能です。抗ヒスタミン薬の点眼や内服薬で治療します。症状が強く、抗ヒスタミン薬でも十分な改善が認められない場合はステロイド点眼も選択肢になりますが、眼圧上昇リスクがあるので、眼圧の評価ができる眼科医による処方と経過観察が好ましいです。

Symptoms in Children

急性結膜炎

概要

あらゆる原因による急性の目の結膜の炎症をまとめた疾患概念であり、上述のアレルギー性結膜炎を含みます。細菌またはウイルスによる感染性結膜炎と、アレルギーや乾燥(ドライアイ)による非感染性結膜炎があります。

診断と治療

しっかりした診断には眼科医による診察が必要です。ただし、明らかな花粉症に伴うアレルギー性結膜炎や、症状が軽微な場合は小児科でも対応可能です。川崎病のような全身の熱性疾患の症状の一つとして見られることもあるため、発熱を伴う場合は、眼科だけでなく小児科医による診察が必要です。

Symptoms in Children

麦粒腫(ものもらい)・霰粒腫

概要

麦粒腫はいわゆる「ものもらい」のことで、まぶたの赤くて痛みを伴うしこりです。まぶたの汗腺・睫毛の毛根・皮脂腺で細菌が繁殖し、感染を起こす疾患です。通常数日〜1週間程度で改善します。一方、霰粒腫は皮脂腺に脂肪が詰まりまぶたにしこりを引き起こしますが、感染を起こさず、霰粒腫は柔らかく痛みがありません。しかし、麦粒腫より長く、数週間続くことがあります。

診断と治療

麦粒腫も霰粒腫も温めることで改善を早める可能性があります。暖かいタオルで温めることを15分ずつ1日4回試してみましょう。改善が乏しい、または症状が強い麦粒腫や霰粒腫は眼科医による診察が必要です。抗生剤による治療や外科的治療が行われることがあります。

Symptoms in Children

乳児湿疹

概要

乳児湿疹とは乳児期の皮膚トラブルの総称で、特定の疾患を指す病名ではありません。新生児ざ瘡(新生児の顔にプツプツできるニキビのようなもの)や、皮膚カンジダ症(おむつ内や腋でのカンジダという真菌(カビ)による感染が起きること)や、脂漏性皮膚炎(頭皮・おでこ・眉間・胸・腋などに黄色のかさぶたのようなものができること)、接触性皮膚炎(いわゆる「かぶれ」のこと)などをまとめて、「乳児湿疹」と総称します。ご家族の多くが心配されるアトピー性皮膚炎の症状としての「湿疹」も含まれます。ただし、「アトピー性皮膚炎」の項(後述)で解説しますが、アトピー性皮膚炎は発症してすぐに診断がつくものではありませんので、新生児・乳児期のいわゆる皮膚トラブルで初めて病院に行く時にはアトピー性皮膚炎の診断はつかないことが多いです。つまり、アトピー性皮膚炎の湿疹でも、最初は「乳児湿疹」と言われることが多いです。

診断と治療

診察によって肌の状態を確認することで診断できます。治療はその「乳児湿疹」の内容次第であり、自然軽快するものもあるので、経過を見る場合と、保湿剤やステロイド外用薬で治療をおこなった方が良い場合があります。

Symptoms in Children

アトピー性皮膚炎

概要

アトピー性皮膚炎を一言で言うと、左右対称性の痒みを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりしながら、長く(1歳未満は2ヶ月以上・1歳以上は6ヶ月以上)続く病気です。なので、最低2ヶ月は経過を見ないと診断ができないことになります。2歳未満のアトピー性皮膚炎の7割は小学校高学年には治っていますが、中学生以降もアトピー性皮膚炎があると大人になって治療が必要なケースがほとんどです。アトピー性皮膚炎に限ったことではありませんが、湿疹がある方は食物アレルギーや喘息の発症リスクが高いと報告されており、適切なスキンケアが特に重要になります。

診断と治療

診察によって肌の状態を確認することで診断できます。治療は保湿剤を中心として、必要に応じてステロイド外用薬を使用します。ステロイド外用薬の使用量は症状がコントロールできる必要最小限になるように調整します。2歳以上ではステロイド外用薬以外の塗り薬も使えるようになり、ステロイドがやめられない時に特に有力な選択肢になります。治療しても中々良くならない場合は、食物アレルギーが湿疹に関与していることがあり、その場合は食物アレルギーの管理も必要になるため、小児科アレルギー専門医による診察が望ましいです。

Symptoms in Children

おむつかぶれ

概要

皮膚がおしっこやうんちと長時間接触するために起きる皮膚の炎症で、病態は接触性皮膚炎です。おむつ交換頻度が少ない、また下痢や抗生剤の使用により発症の可能性が高くなります。

診断と治療

診察によって肌の状態を確認することで診断できます。症状が重くなければ、頻繁なおむつ交換や、おむつ交換ごとの亜鉛華軟膏などの塗布で対応します。症状が強ければステロイド外用の併用や、カンジダ感染の合併が疑われる場合は抗真菌薬の外用を併用します。皮膚のただれが特に強く、滲出液で薬が上手く塗れない場合は、ストーマパウダーなどを混合し、塗りやすくします。

Symptoms in Children

伝染性膿痂疹(とびひ)

概要

主に黄色ブドウ球菌やA群レンサ球菌による皮膚の感染症です。一般的に赤い皮膚病変に黄色〜茶色かさぶたのようなものが付着したような病変を認めます。水疱はないのが一般的ですが、水疱を形成することもあります。掻きむしることで、色々なところに病変が出現し、広がっていくことがあります。好発部位は顔と四肢です。

診断と治療、出席できるようになるタイミング

診察によって肌の状態を確認することで診断できます。病変の数が少ない場合は抗生剤の外用で対応します。数が多い場合は、抗生剤の内服を行います。手洗いは感染予防に重要です。全身状態が良ければ基本的に学校を休む必要はありませんが、病変部を覆う必要があります。

Symptoms in Children

伝染性軟属腫(水いぼ)

概要

ポックスウイルスによる皮膚の感染症です。ポツッとした小さな肌色の丘疹を認め、多発します。基本的に自然治癒しますが、治癒率は1年で約50%、2年で約90%という報告があり、水いぼがなくなるまで自然に経過を見ると時間がかかる傾向があります。アトピー性皮膚炎があると水いぼを発症しやすく、兄弟や姉妹の間では感染する可能性が高くなります。

診断と治療、出席できるようになるタイミング

診察によって肌の状態を確認することで診断できます。日本小児皮膚科学会は水いぼの数が少ないうちに外科的に取ってしまうことを推奨しています(当院では水いぼの摘出は対応しておりません)が、自然治癒する水いぼを、痛い思いをさせてまで取るべきかは世界的にも議論があります。水いぼを外科的に摘出するべきか否かは個別に決定されるべきであるという意見もあります。外科的に取ることは痛みを伴い、数が多いと一度に取りきれず、再発も見られることがあるなどを理解した上で、兄弟の有無、基礎疾患の有無、学校の状況、プールの状況、そして個人の考え方を踏まえた上で最終的に決定すべきだと思います。水いぼがあっても学校の出席は可能です。水いぼの原因ウイルスは水を介しては感染しないため、プールも入って大丈夫ですが、タオルや浮き輪やビート板などを介してうつることがあるため、これらを共用することは避ける必要があります。